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zoom RSS あの日のこと。

<<   作成日時 : 2010/11/09 20:23   >>

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2009年11月9日。

私にとっては、もしかすると12月27日よりも大切な日かもしれない。
そんなあの日のことを1年後の今日思い返すことにします。
というより忘れない内に書いておきたい。
長文かつ自分語りです、ご了承ください。
さすがにウザくて恥ずかしいので反転します。














瀬奈じゅんオチを自覚して、それを潔く受け入れたとき。
その時、すでに決めていたことがありました。






サヨナラは大劇場で。






もちろん「男役・瀬奈じゅん最後の瞬間」は出来るだけ傍に居たいと思った。
だけど、サヨナラは大劇場で言おうって。
そこから先にはアリガトウだけを持って進もうって。
そう決めていた。

だから大劇場公演中は必死だった。
たぶん心も体も壊れてた。
貧血でフラフラでも朝から晩まで劇場に居た。
意味なんてなかったんだと思う。
ただそうしなきゃいけなかった。
そうしないと自分を保てなかったから。



そんなこんなで迎えたサヨナラの前の日。
すでに燃え尽きたと思っていた私。
泣けなくなってた私。


”そんなに泣かないでください”


あの人の言葉に素直すぎる私。



前楽終わってもう訳分かんなくなってホテルに帰った。
その日まで、曲がりなりにも共に応援してきた母にさよならショーを生で見せてあげられないのがずっと心に引っかかってた。
・・・のに私の気持ちなんてつゆ知らず、さくっと前楽立ち見券当選封筒を引き当てたまいまざー。
すげぇーや。
あの人を好きな気持ちを、誰よりも理解してくれたのは他の誰でもなくまざーなので。
大橋の上で「瀬奈じゅんさんのドSっぷりがいかに私のツボ」かを熱弁するような娘でゴメン。
でも観て貰えて本当に良かったって思ってる。
まぁー私なんにもしてないけど。



おっと脱線。
暗いホテルのライトの下で手紙を書いた。
伝えたいことの100分の1も書けてない短い手紙。
2時間くらい寝て、あの人の歌声に起こされた。


サヨナラの朝。


天気は晴れ。
11月なのにそんなに寒くなくて、防寒に役立つとは言い難いダッフルコートでも平気な気候。



始発の阪急電車。
白い人がぽつりぽつり。
別に全身白でってお達しがあったわけじゃない。
でも白にしたくて、白で居たくて、ブーツ以外は白で揃えた。
電車に居る人もそうだったのかもしれない。


初めて迎える卒業でなんにも分かってなくて何も口にしないまま楽屋口に向かった。
飲み物さえ持ってなかった。
あれだけ長丁場だって知っててもきっと食べられなかったと思うけど。
そしたらその場で仲良くなったおばさまがパンをくれた。
みんなで食べてみんなで話してみんなで笑ってみんなであの人を待った。


その時、宙組さんはお稽古中。
どんどん楽屋口に入っていく人の中に蘭寿さんがいた。
蘭寿さんは瀬奈会の人たちに向かって、小さく、でもしっかりとしたガッツポーズをくれた。
喜びの声が上がった。
本当に本当に嬉しかった。
だって他の誰でもなく蘭寿さんなんだもん。
はるのさんが居て、せなさんが居て、あやぶきさんが居て、らんじゅさんが居た。
そんな時代を心から愛したから。
こんなところで言っても届かないと思うけど、本当にありがとうございました。
あの日、蘭寿さんに会えて良かった。




そうしているうちに、組子のみんなが出てきた。
みんなアフロで黒塗り。
退団者までもが。
さすが月組。
あの人が通るために作られた通路を組子1人1人が通ってスタンバイしていく。
みんなノリノリ。
テンション上がりまくり。


そして車が止まった。
白いあの人が降りてきた。
笑顔で。
早速かぶせられるアフロ。
みんなからのあさこコール。

すんげぇー楽しかった。
さよなら公演てなにこれおもしろい!って本気で思った。



あの人は私たちの長すぎる掛け声に突っ込んでくれるようないつものあの人で。
でもいつもよりキレイで穏やかで、そして少しだけ儚かった。





そんな楽しさを抱えたまま、公演が始まるまでの時間、大劇場の周りを歩いて回った。
もうきっとこんな気持ちでここに来ることはないって思ったから。
退団者とファンの皆が最高の卒業を迎えられるように、寒空の下でパレードの場所取りをしてくれてる人たちがたくさんいた。
なんて温かい場所なんだろう。
なんて心地よい愛しさなんだろう。
本当に凄い場所だ、タカラヅカって。
こんなのきっと他にない。





そして、最後の公演が始まる時間。
たぶん、普通だったと思う。
いつもみたいにロビーを通って、いつもみたいに席に着いた。
いつもみたいにアリステアを見つめて、いつもみたいにミラーボールとビートに心躍った。
組長の挨拶、さよならショー。
前楽よりは冷静に見つめられたと思う。



昨日と違うのはその続きがあったこと。



大階段が出てきた。
いつもタカラヅカニュースで見ているあの風景。
逃げ出そうかと思った。
私、退団者を見送るどころか千秋楽すら観た事なかったんだ。
最初に見る「最後の大階段」があの人だなんて絶対無理だって思った。
大きすぎる。
絶対受け止めきれない。

でも、みんなの挨拶を聞いている内にありがとうの方が上回ってきてなんとか落ち着きを取り戻した。
あいちゃんの言葉を受け取っている頃には、自然と呼吸できるようになってた。

そして。
名前が呼ばれて、返事が聞こえて、足音が聞こえた。





黒燕尾だった。





絶対、燕尾だと思ってた。
なんかよく分かんないけど、そんな気がしてた。
組子の人数だけ束ねられたお花を受け取って、マイクの前へ。

想像してたよりも、低い声で話し始めたあの人の言葉を1つ1つ体に刻み込んだ。
もしかすると、理解するには至ってなかったかもしれない。
あんなに集中して誰かの言葉を待ったのはたぶん初めて。
勝手に目から流れてきたのは、涙じゃない。
だって、悲しくはなかったし。
何度も繰り返されるカーテンコールの度に笑って、どんどん楽しくなっていったし。

公演が終わって、最後のスタンバイ場所まで歩く間の足取りも軽かった。
なんかすっきりしてた。
デトックス。





たまたまお隣になった方と仲良くなって、止まらないヅカトークを繰り広げてた。
あいちゃんを嫁にしたいとかいやしずくちゃんもなかなかとか馬鹿な会話で楽しんだ。
次々と出てくる退団者の皆は、きらきらと眩く光る無数のペンライトよりもキレイに輝いていた。



そして。
手に何も握られていないあの人が出てきた。
なんかすっとしてた。
でも、緑の袴姿は何よりもキレイだった。

ゆっくりと確実に1歩1歩進む。
ここぞとばかりに光り始めるフラッシュの中で微笑む姿。
車に乗り込む姿。
最後まで手を振ってくれたこと。
その姿を目に焼き付けた。



そして、霧矢さんが出てきた。
組を継ぐものが最後に歩いてくるルールらしい。
温かい拍手の中、ちょっと照れくさそうに足早に歩いてきた霧矢さんの手には1本の薔薇が握られていた。
その場に居た人は、すぐに気付いたと思う。
あの人の手に何も無かった理由も。
霧矢さんの想いも。
本当にありがとう。
素敵な瞬間をありがとう。





終わったねーお腹すいたねーなんていいながらフェアウェル会場へ。
偶然出くわした下級生たちのあまりのスタイルのよさに驚愕しつつ(同じ人間とは思えん)、ご飯を食べて、ぺちゃくちゃしゃべった。
あの人が袴姿のまま会場にやってきても、ひたすら笑ってた。
最後のパーティーなのに、その記憶しかない。
ただひたすら楽しくて、いつものお茶会くらいの感覚だった。
最後の挨拶を聞いても、扉から出て行く姿を見ても、ばいばーいまたねーくらいの感覚だった。





そんな内に、フェアウェルが終わって1人ホテルを出た。
会服を脱いだ。
そこで初めてはっと意識が戻った感覚がした。






サヨナラ、したんだ。






そこで初めて感情がカラダに追いついた。
しゃくりあげるくらい泣いた。
前から歩いてきたまざーが自慢げに掲げてくれた号外。
私を見止めるとすぐに、苦笑いになって

泣かんでもいいやん。

って言われた。
ますます泣いた。
人間ってなんで泣くなって言われると尚更泣けてくるんだろ。
ふしぎ。

泣き顔のまま、またもや阪急電車に乗り込み、最愛の場所を後にした。





もうこれで最後。きっと2度とない。
あの人のため以外に寒空の下で4時間以上待ったり出来ない。

私が私であるために。
あの人が居たから今の私がある。

「宝塚歌劇団の瀬奈じゅん」に出会えたことは、私の人生最大の誇り。


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コメント(4件)

内 容 ニックネーム/日時
はじめまして。私は麻子さんのファンでいつも楽しく読ませて頂いております。素晴らしかったエリザも終わり、寂しくもありますが、今はアンナとスペシャルパーティーを楽しみにしつつ日々過ごしています。ところで今日の記事、反転します・・から読めないのですが、どうやったら読めますか?
ts
2010/11/10 09:37
初めまして。
コメントありがとうございます。

私も同じくスペシャルパーティときっと素敵に違いないアンナを楽しみに過ごす毎日であります!

反転します以降の記事ですが、文字色を背景と同色にしているだけですので、Ctrl+Aで全選択して頂くか、ドラックしていただくことにより読めると思います。
お手数お掛けして申し訳ありません。
また何かありましたらお気軽にお知らせくださいませ。
ピース
2010/11/11 19:57
遅くなりましたが、本文の見方を教えて下さってありがとうございます。読んでいて泣けました!私は大劇前楽、楽ともに行けず、今どんな様子なんだろうと皆さんからの情報を待つ為に、パソコンの前にずっと座っていました。麻子さんが退団されてコンサート、エリザ(先日のトークライブも!)と本当に予想を上回る満足度で女優瀬奈じゅんを満喫しているのですが、残念ながらまだまだ関東での活動が多く(私は関西在住の為)思うほど会えないという寂しさと戦わなければならず、一部の麻子ファンの方々の「何組の何々が良かった〜」とか「誰々さんがかっこよかった!」とか相変わらず宝塚を楽しんでいらっしゃる様子を見てなんとなく寂しさと羨ましさを感じています。私は宝塚から近いので観に行こうと思えばいつでも行けるのですが、麻子さん退団後、一応話題作だし・・とスカピンとロミジュリを見ましたが、全く心躍らず楽しめない自分がいて「もう観に行くのはやめよう」って思ったんです。それで何に目がいくかというと、モーツアルト(三銃士に出る山崎さんを見てみたい)とか、麻子さんが大好きな春野さん(ファニーガール)だったりするんです。結局全部麻子さんにつながっているんですよね。こんな自分大丈夫かなあ・・とか思うんですけど、ピースさんは今楽しめていらっしゃいますか?
ts
2010/11/24 11:14
お返事遅れて申し訳ありません。
読んでいただけたようで嬉しいです。

関東中心にお仕事されるのは致し方ないとは言え、やはり寂しいですよね。
私にとっては関西も地元ではないのですが、なぜかホームだと感じてしまうんです。笑
そういうところは宝塚ならではだなーと思います。


私もあさこさんを追いかけるのに必死になり、なかなか宝塚を観にいくことが出来ないのが現状です。
あさこさんが居たときは当たり前だったのに、それが非日常だったことを思い知らされました。
それでも宝塚の世界観を好きな気持ちは変わってないのですが、今までのようにはいかないなーと。
だから、tsさんのおっしゃる寂しさと羨ましさは痛いほど分かります。
夢あるキラキラの世界は、本当に楽しかったですから。


私はもともと舞台ファンだったので、あさこさんが色々な作品に挑戦してくれることを本当に嬉しく思っています。
苦手だったミュージカルが好きになれました。
でも心が向かない作品を観る事はしません。
だからずっと飽きることなく楽しめてるのだと思います。
考えは、tsさんと同じです。

お互いにコレだ!と思える素敵な作品に出会えるといいですね。
ピース
2010/11/29 21:11

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